このところ「はぎれ」ばかりでしたが、久しぶりに出品できるインド更紗の一枚布です。近年に作られた複製ではないオリジナルであることを保証します。傷みはあるもののこの時代の布としては、良い状態で全体が残っているかと思います。
　これは、インドのコロマンデル海岸で作られ、インドネシア富裕層向けに輸出されたインド更紗スバギです。大きさは、約264㎝×110㎝、手紡ぎ木綿、天然染料で染められたより古手の18世紀のスバギであることを保証します。時代の下るスバギは、一部に化学染料が使われたり、文様に手抜きが見られますが、これは淡い天然染料で、ほぼ全ての文様が手描きされていることから、より時代の上る布です。
　繊維には、弾力があり、大きさもありますので、仕覆等、他の用途に使っていただけます。
　一見したところ完全な布に見え、大きな破れ等はないのですが、200〜300年も経っている布ですので、次の各部分に傷みがあります。まず、四つの角等、傷みを裏側から和紙のようなやや赤い紙を貼って補修している箇所があります。表から見ても分かりづらいので、9枚目の裏側の画像をご覧ください。一番、傷みの大きな角は、8枚目画像の部分です。また、9枚目の裏側の中央の紙補修部分①を表側から撮ったのが10枚目の画像です。裏側の補修紙がやや大きくても、表側から見ると一見したところでは、傷みがどこか分かりません。この補修紙は剥がせるかどうか分かりませんが、やや赤いのこの補修紙があった方が傷みが目立ちにくく、私はこのまま取らない方が良いのではないかと思います。あと、例えば7枚目や8枚目画像で確認できるようなピンホール状の小穴が、この他にも沢山あります。小さな傷みでも気になさる方は、ご入札をお控えください。傷みや補修もオリジナルの証と、古布にご理解のある方のみ、ご入札をお願いいたします。
　私は鋏を入れるのが嫌なので、このまま出品しますが、この時代のインド更紗は、今では「はぎれ」でしか出てこないもので、はぎれでも高価ですので、大変リーズナブルかと思います。整理のための出品です。古布がお好きな方で、大切に引き継いでいただける方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。

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